われわれは散文的な日常のなかで惰性的に生を送り、いわば慢性的な圧力低下の状態にある。とはいえささやかなものであろうと、ときとして意味の充実を経験することがあるだろう。 私がこの文章に出会ったとき、それは誰もが分かち合うも
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【1日1読】ル・クレジオ『物質的恍惚』
人間は自己を形成するために教養を用いるべきであって、自己を忘れるためにではない。 昨日の続きに書かれている部分です。私など、自分を忘れるために、一体どれだけ本を読み、映画を読んだことでしょう……!しかしそれでも、結果とし
もっと読む【1日1読】ル・クレジオ『物質的恍惚』
一人の人間が包含している悲惨さ、弱さ、凡庸さを知ること、それこそ真の教養だ。 この一節は、「読書をした、学んだ、ということは重要ではない。」と続きます。 社交ゲームで気の利いた一言を言うためだけに憶えた知識、体験、そんな
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【1日1読】北園克衛「口笛」
夏は美しい季節でした 物質は重く生活は軽いのです 街の従妹たちよ そこでは星と林檎がいり混じり そしてあなた達は失はれた花束にすぎません 僕は? あなたは? 好きなのですね? しかし だが カメラのなかに月が出たら あ!
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【1日1読】西脇順三郎「天気」
(覆された宝石)のやうな朝 何人か戸口にて誰かとささやく それは神の生誕の日。 今朝の首都は霧雨です。どんな朝も美しいものだと思います。 日本語で書かれた文章の中で、とりわけ美しさの観点から語るに値する文章として、私なら
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