哲学を味方につける
最高度の知性を持っていた人たちを、味方につけよう。
知識ゼロから哲学を学ぶには、どうすればいいでしょうか? 哲学を味方につける方法は、2つあります。
- 入門書やガイドブックを読んで、自分の視野や考え方を拡げること。
- 今後何年も、その著作を読み続けるであろう哲学者・思想家を見つけること。
2:お気に入りの小説家やミュージシャンを思い浮かべてください。 (私にとっては、 小説家なら皆川博子、 ミュージシャンなら平沢進です。) その人たちがあなたにとって重要なのは、あなたを導いてくれるからです。 ひとり(あるいは何人でも良いのですが)の哲学者・思想家の考え方を体系的に学ぶというのは、あるミュージシャンのアルバムを集めることに似ています。 ある人の思想を、 ・自分の思考の土台にしたり ・そこまではしなくとも、自分の考えを比較するときの対象にする そうすることで、自分の考えをブレない確固たるものにしたり、新たな考え方に気づくヒントを発見できる可能性が高まります。 そのためにも、哲学書を丸々1冊読み通すことが、哲学を味方につける、という意味では最も強力な方法です。 1冊手元に置き、ときどきはガイドブックに頼ったりしながらも、思考の理路を自分の足で歩いてゆく。 必要とあらば、何度でも読み返す。 そして、できれば、ある人の全集を読み通すことができれば…… それはもう、かけがえのない財産を得たことになります。 なにより、最高度の知性を持っていた人たちを味方につけるというのは、頼もしいものです。 人間の過去をよく知りながら、時代に流されず、常に新しい、思考の最先端を発明し続けた人々の協力を、本というかたちでいつでも得られるのですから。 ちなみに、管理人が「味方につけた」思想家たちは、 ・フリードリヒ・ニーチェ ・森崎和江 ・坂口安吾 の3人です。 歴史上一番偉いのは、全人類ひとりひとりを正気に導く言葉を発明したニーチェだと確信しているし、 日本で一番偉大な思想家は、エキセントリックかつ強靭な批評精神で戦った坂口安吾と、 独自の思索から限りなくニーチェに接近しながらも「産の思想」を作り上げ、日本の女性運動の先駆けとなった森崎和江だと思っています。 (2018/8/26)