哲学を味方につける


最高度の知性を持っていた人たちを、味方につけよう。


知識ゼロから哲学を学ぶには、どうすればいいでしょうか? 哲学を味方につける方法は、2つあります。
  1. 入門書やガイドブックを読んで、自分の視野や考え方を拡げること。
  2. 今後何年も、その著作を読み続けるであろう哲学者・思想家を見つけること。
詳しく考えてみましょう。 1:書店へ行くと、哲学の棚だけでなく、文庫や新書の棚にも、哲学の入門書がたくさん置いてあります。これは、学生やビジネスパーソンに向けて書かれているものです。 今まで自分の中には無かった新しい考え方、自分が属していない文化圏の考え方を、まずは手っ取り早く、わかりやすく摂取したい。 そんな時に使ってほしい方法です。 哲学者が、なぜ人生を捧げてまで新しい思考を発明しようとしたのかと言えば、考える方法を増やすことで、人間の生活を少しでもマシにしよう、人間を少しでも自由にしようとしたからです。 自分が知らなかった考え方を一挙にいくつも浴びると、それだけでも勇気がでるものです。 ただし、注意点があります。 入門書は、哲学者本人が書いているものではありません。多くは、その哲学者や、哲学史の研究家が書いているものですが、それでも、哲学者本人が意図しているメッセージが誤って解釈されている場合があります。 また、哲学者が書いた元々の本のごく一部を抜き出してわかりやすくしているだけ、とも言えるので、私の経験から正直に述べると、原書の記述が2%でも書かれていれば、入門書としては相当に優秀な方だと思います。 なので、これはあくまで「広く、とても浅く」で済ませる方法です。 「本物の教養を味方につけたい」と思ったら、次の2に進んでください。
2:お気に入りの小説家やミュージシャンを思い浮かべてください。 (私にとっては、 小説家なら皆川博子、 ミュージシャンなら平沢進です。) その人たちがあなたにとって重要なのは、あなたを導いてくれるからです。 ひとり(あるいは何人でも良いのですが)の哲学者・思想家の考え方を体系的に学ぶというのは、あるミュージシャンのアルバムを集めることに似ています。 ある人の思想を、 ・自分の思考の土台にしたり ・そこまではしなくとも、自分の考えを比較するときの対象にする そうすることで、自分の考えをブレない確固たるものにしたり、新たな考え方に気づくヒントを発見できる可能性が高まります。 そのためにも、哲学書を丸々1冊読み通すことが、哲学を味方につける、という意味では最も強力な方法です。 1冊手元に置き、ときどきはガイドブックに頼ったりしながらも、思考の理路を自分の足で歩いてゆく。 必要とあらば、何度でも読み返す。 そして、できれば、ある人の全集を読み通すことができれば…… それはもう、かけがえのない財産を得たことになります。 なにより、最高度の知性を持っていた人たちを味方につけるというのは、頼もしいものです。 人間の過去をよく知りながら、時代に流されず、常に新しい、思考の最先端を発明し続けた人々の協力を、本というかたちでいつでも得られるのですから。 ちなみに、管理人が「味方につけた」思想家たちは、 ・フリードリヒ・ニーチェ ・森崎和江 ・坂口安吾 の3人です。 歴史上一番偉いのは、全人類ひとりひとりを正気に導く言葉を発明したニーチェだと確信しているし、 日本で一番偉大な思想家は、エキセントリックかつ強靭な批評精神で戦った坂口安吾と、 独自の思索から限りなくニーチェに接近しながらも「産の思想」を作り上げ、日本の女性運動の先駆けとなった森崎和江だと思っています。 (2018/8/26)