彗星ブランドを生んだ土地
小説家・森 大那が創設した彗星ブランドの精神の形成には、世界有数の巨大都市・東京の3つの土地が関わっています。
大井町
森 大那の生まれ育った品川区・大井町は、かつて江戸と京都を結ぶ東海道の最初の宿場町であり、陸路・海路における江戸の玄関口であった品川宿(現在の北品川)の近くに位置しています。
現在では交通の要所としての機能はこの大井町に移り、大井町駅にはJR京浜東北線・東急大井町線・東京臨海高速鉄道りんかい線の3路線が乗り入れ、多くの人々が行き交います。
平穏でありながら人流の変化が激しく、街全体の開発が絶え間なく続くこの土地に生まれ育ったことが、地域・人・メディアの相互関係に対する森 大那の捉え方に大きな影響を及ぼしています。
神保町
東京の中心エリアの一部である神田神保町は世界最大の古書店街であり、出版・印刷・製本・取次・卸売・小売・新本・古本の業者が集う巨大コンビナートでもあります。
「人類が初めて経験する巨大な図書館」とさえ呼ばれるこの街は、江戸時代には侍屋敷が並び、明治に入るとオランダ医学の中心地となったことで、東京大学医学部発祥の地となります。
その後は学校が多数建設され、本屋街が形成されていきました。
現在では学校・新刊書店・古書店だけでなく、楽器店、ギャラリー、飲食店、文化施設が点在しています。
森 大那は幼い頃からこの街に足を運び、書物と芸術の広大な世界を探索してきました。
早稲田
東京の西北エリアに位置する早稲田は、その地名を冠した早稲田大学を中心とする学生街です。
東京大学が目指した国家有用の人材の養成という目的を拒否し、学問の独立を主張した人々によって創設された早稲田大学は、その最初期から、日本における文学研究の中心地となりました。
2012年に文化構想学部に入学した森 大那は、ここで創作理論・批評理論・美学に出会います。
また、大学内で友人たちと自主的に開催していた読書会や、創作ゼミでの演習の経験が、やがて彗星読書倶楽部の活動へと発展します。
「社会の中にあのゼミの時間と愉しさを作り出す」というアイディアが、2018年に彗星読書倶楽部を発足するきっかけとなりました。