『ヨコハマメリーと時代の夕暮れ』講義(1時間5分)

ヨコハマメリーと時代の夕暮れ

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かつて、横浜で活動していた1人の娼婦がいた。
白塗りの顔に、白い服。
彼女は誰とも親しくしなかったという。そして老いてもなお横浜の街頭で娼婦として立ち続けていた──

2006年公開のドキュメンタリー映画『ヨコハマメリー』をきっかけに広く知られるようになった、横浜の高齢娼婦「メリーさん」。
その異様な存在感にはさまざまな声がありつつ、一部の人々の人生を大きく変えてしまった人物でもあります。
しかし、彼女の人生や行動は、常人の理解を逸脱する部分が多く、本人の証言も虚実が混ざり合っていたため、今も謎に包まれています。

彼女をモデルにした歌謡曲・詩・舞台・小説・漫画・映画も作られ、横浜の奇人として有名になったメリーさんの記憶と記録を、私たちはどのように受け取ればいいのでしょうか?
今回は、メリーさん研究を入り口に、謎めいた生涯を送った人々の例を見ながら、私たちにとって人の一生とは何なのか、時代とは何なのかを考えます。

動画の目次
1:ハマのメリーさんとは何者か
2:人生という謎
3:時代とは何か

第1章では、横浜の伝説的娼婦「メリーさん」の概要を説明しています。
2006年の映画、その監督を務めた中村高寛が2016年に刊行した書籍『ヨコハマメリー』、さらにメリーさんの実像と伝説を明晰に浮かび上がらせた檀原照和『白い孤影 ヨコハマメリー』(2024)の3作品の流れを確認しながら、メリーさんにまつわる情報を簡単に整理してみましょう。

第2章では、メリーさんのように生涯が謎めいている人物の例として、アメリカの写真家ヴィヴィアン・マイヤーと、2020年に尼崎で死亡した女性を紹介します。
ドキュメンタリー映画『ヴィヴィアン・マイヤーを探して』(2013)とノンフィクション『ある行旅死亡人の物語』(2022)の内容には、メリーさんの目撃証言と同じく、関係者がそれぞれの人物に抱く印象が大きく異なる、という奇妙な共通点があることがわかります。
さらに、メリーさんに対する横浜市民の声の中に、「聖域」「横浜の大事な財産」彼女を極度に美化する声があったという話題から、差別を生み出す”聖俗のサイクル”という認識方法がフィクションや現実社会の中に多数見られることを解説します。(三島由紀夫『仮面の告白』解説動画もご参照ください。)

第3章では、メリーさん研究をもう一度検討してみましょう。
私たちにとって「時代」とはかなり厄介で扱いづらい概念であると考えた上で、一時代の終わりのシンボルとして扱われやすいメリーさんを、私たちは本当にシンボリックな存在として捉えるべきなのかどうか考えます。
最後には、「社会の中の弱者である、だから尊い」という価値観に対抗するための捉え方を提示しています。

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