世界中を旅した体験から、小説、エッセイ、ルポルタージュ、TVCMやドキュメンタリーへの出演など、多彩な活躍ぶりを発揮した作家開高健。
1989年の死去から30年以上経った現在も、幅広い読者に読み継がれています。
しかし、著作が多すぎてどこを入口にしたらいいのか分かりにくいのも事実。
彼の文章群の魅力はどこにあるのか。
今回の彗星読書ゼミでは、彼の生涯を追い、その功績の全体像を把握しながら、彼が追い求めた表現の可能性を読み解きます。
動画の目次
1:コピーライターから小説家へ
2:ベトナム戦争
3:冒険の価値
第1章では、洋酒会社のコピーライターだった開高健が1958年に「裸の王様」芥川賞を受賞し、新しい時代を代表する作家の一人と目されるようになるまでを解説しています。
早くから文学を志していた教養ある青年は、生活難から会社の宣伝部で働き、広告コピーや広報誌の編集長を任されることになります。
その体験が、のちの「行動する作家」の基礎体力を養ったのでした。
彼自身が書いた広告、私家版で刊行された最初の長編『あかでみあ めらんこりあ』や「パニック」の本文を引用しながら、開高の創造性の原点を探ります。
第2章では、彼の人生最大の転機であったベトナム戦争取材について詳しく説明しています。
1960年から海外取材を繰り返すようになった開高。
1964年には混乱の最中にあったベトナムへの取材を試みます。
情報が錯綜する空間で、日々増えてゆく民衆の死体。
そして急死に一生を得た生還。
ベトナム戦争の全体像を説明した上で、開高がいかにその現場の混沌を言語化しようとしたのかを見てみましょう。
第3章では、1970年代以降の、釣り・旅・食にまつわるエッセイが増えた時期と取り上げ、2026年を生きる私たちがそこに見出せる価値を考えてみます。
1978年、アマゾンでの釣りの様子を多数の写真と共に大型本で刊行した『オーパ!』は異例の大ヒット。
開高のエッセイは文学に馴染みがない人々にも浸透していきました。
世界各国の雄大な自然、人々の暮らし、触覚・味覚・嗅覚を語ることを好んだ彼は、そこにある使命感を持っていたようにも思えます。
この作家は世界をどのように体験し、どのように書き残そうとしていたのか。
その技術の一例を、彼の得意技「撞着法」に注目することで紐解きながら、ゼミの最後には、私たちが吸収すべき”世界の扱い方”を抽出します。
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