彗星読書倶楽部が2025年から始める講座シリーズ【文学の教室】。
2025年10月&11月は、『現代文化論入門』を開催します。
今回の講座の目標は、現代文化がどのような歴史の上に成り立っているのかを学び、自分がどのような時代の中に生きているのかを受講者自身が把握できるようになることです。
特に、20世紀文化の変化の様子を理論的に捉えることで、今日の世界的文化状況の基礎を読み解きます。
入門者向けの内容ですので、予習は必要ありません。
古今東西の文学を解説してきた彗星読書倶楽部にしかできない、「”一番最初に聞きたい”文化講義」です。
彗星読書倶楽部の会員さまは無料でご受講いただけます。
受講をご希望の方は必ず本講座の申込フォームを送信してください。
講座シリーズ【文学の教室】
2025年からスタートする【文学の教室】は、彗星読書倶楽部が手掛ける文学講座です。
小説・詩といった文芸作品から、注目すべき文化現象、現代思想などを含めて解説します。
本講座『現代文化論入門』は、Zoomを使って配信する、座学のみの講義です。
講師がオリジナル資料を画面に映しながら講義を進めます。
【開催日時・内容】
第1回:10月4日(土) 13:00 〜 14:00
「文化についての基礎理論」
文化は私たちの生活に根差し、同時に遥か遠くにまで発展するものでもあります。
だからこそ、一人の人間が文化の全域を把握することはとてもできません。
また、ある時代に当たり前なことはわざわざ記録する人も少なく、したがって文化の変化の様子を教えてくれる人も少ない。
変化に気がついた時には、流行や常識がとっくに移り変わっていた──という経験を多くの人が持っていることでしょう。
第1回の講義では、常に変わり続ける(ように見える)文化に動揺せず、文化の中にいつでも宿っている価値を自力で見極められるようになるための、見方の枠組みをレクチャーします。
そもそも文化とは何か。
「文化」という言葉の語源は何か。
その概念はどのように出来上がったのか。
「”文化”と”文明”はどう違うのか」という20世紀初頭の議論には、最終的にどんな回答が与えられたのか。
まずはそんな、もっとも基礎的な話題から始めましょう。
次に、文化はどのような特徴を持つものなのか、過去に提案された理論を使って把握していきます。
「混沌の中に秩序が生まれる。秩序の中に混沌や予期せぬ刺激が侵入する。」
そのようなモデルを通して、文化というものの全体像がわかるようになります。
キーワード例:
文化、文明、繰り返されること、山口昌男『文化と両義性』、ユーリ・ロトマン『文学と文化記号論』
第2回:10月18日(土) 13:00 〜 14:00
「消費社会とは何か その1」
現代において「消費」という言葉はたくさんの文脈で使われています。
生活必需品を買って使うことも消費、嗜好品を使うことも消費と言われます。
時には芸術家が「自分の作品を消費されたくない」と語ったりすることもありますが……この時の「消費」とはどのような意味なのでしょうか?
現代は「消費社会」であると言われることがあります。
けれどその意味や、消費社会以前の社会の様子を説明できる人は、意外と多くありません。
第2回では、「消費社会」という概念で20世紀後半の社会の特徴を説明したフランスの思想家ジャン・ボードリヤールの考え方を確認しながら、いよいよ私たちが生きている文化の枠組みを炙り出します。
生きるために不可欠とは言えない高級ブランド品が人気を集める理由はなぜか。
アニメのロケ地が”聖地”と呼ばれファンを呼び寄せるのはなぜか。
そんな疑問に、現代文化の枠組み、そして私たちの認識能力の枠組みを知る手がかりが隠されています。
キーワード例:
消費、消費社会、フォーディズム、ポストフォーディズム、ブーアスティン『過剰化社会』、ボードリヤール『象徴交換と死』、シミュレーション、シミュラークル、広告、メディア、高級ブランド、聖地巡礼
第3回:11月1日(土) 13:00 〜 14:00
「消費社会とは何か その2」
スマホの液晶画面をスワイプし続けることが楽しいように、ともすれば私たちは、文化の小さな断片を味わうだけで1日を終えてしまいます。
そのままひと月を終え、一年を終え、一生を終えることだってあるでしょう。
しかし同時に私たちは、自分がどんな流れの中にいるのか、どこへ運ばれているのか、それを知りたいという欲望も持っています。
第2回で詳しく見た、ボードリヤールが提唱した「消費社会」という捉え方。
それを前提にこの世界を眺めると、どんな様子が見えてくるでしょうか?
第3回ではたくさんの例を参照しながら、文化の枠組みと同時に、私たちが無意識のうちに触れ続けているこの世界の断片を分析します。
特に、歴史と文化の大きな曲がり角であった1960年代・80年代に注目し、21世紀の文化状況の基礎となった出来事を見てみましょう。
キーワード例:
60年代イギリス、60年代アメリカ、パンク、グラフィティ、アートバブル、日本文学の変化
第4回:11月15日(土) 13:00 〜 14:00
「情報ネットワーク社会とは何か」
インターネットがない未来を、私たちは想像できるでしょうか。
ネットワーク環境がインフラとなった現在の世界では、パソコン・スマホ・ネットがあまりにも当たり前の存在になり、人間にとってそれらがどれほど特別なものなのか、客観的に捉えることは難しくなっています。
1970年代末〜90年代、のちにインターネットと呼ばれるものを含む「情報ネットワーク」とはどのようなものか、どのように発展するか、多種多様な議論が巻き起こりました。
その提言の中には、すでに実現したものもあれば、2025年現在は実現していないものもあります。
最終回の第4回では、私たちにとってもはや当たり前になった通信テクノロジーの状況を、少し古いメディア論を通して眺めます。
情報ネットワークによって私たちの新しい文化が生まれた──と考えるなら、それはどんなものだと言えるのか。
パソコン、スマホといった情報端末を通した人々の交流は、その根底にどのような傾向を持つのでしょうか。
そこから、これまでにどのような文化が生まれ、今後はどのような可能性を持ちうるのでしょうか。
キーワード例:
情報ネットワーク、森岡正博『意識通信』、ユビキタス、柳田國男『明治大正史 世相編』、待つということ
【定員】
20名
【受講料】
彗星読書倶楽部の会員さま:
無料
非会員さま:
¥13,200(税込)
お支払い方法:
決済方法は、クレジットカード決済・銀行振込の2種類からお選びいただけます。
申込フォームにてご希望の決済方法をお選びください。
【参加方法】
彗星読書倶楽部の会員さま:
下記の申込フォームで「現在会員として参加している」を選び、ユーザー名を入力して送信してください。
非会員さま:
下記の申込フォームを記入のうえ、送信してください。
送信後48時間以内に料金のお振込用メールをお送りいたします。
お振込が確認出来次第、メールにてZoomリンクをお送りしますので、当日の開催時間になったらご入室ください。
今回の講座は、カメラオンでもオフでも参加可能です。
講師から許可がない限り、マイクはミュートにしていただくようお願いします。
※入門者向けの内容ですので、予習は必要ありません。
【講師】
1993年生まれ。小説家。
早稲田大学文化構想学部卒業後、さまざまな媒体に小説・詩・批評・エッセイを発表する傍ら、2018年にウェブサイト『彗星読書倶楽部』を開設、オンライン・オフライン問わず読書会を開催。
2021年、YouTubeチャンネル『彗星読書倶楽部』を開設、国内外の文学作品を原典や最新研究に準拠しながらも創造的に読解する解説動画を配信している。
2022年、読書好きが集まるコミュニティ『彗星読書倶楽部クラブメンバーシップ』を開始。
2023年6月、作品集『深い瞳を鋭くして』を刊行。
同年8月、日本には少ないクリエイティブライティングの講座『小説の教室』を開講。
同年11月、新サービス『彗星ブッククラブ』を開始。話題の新刊の著者インタビュー映像や解説動画を独占配信している。
2024年12月、作品集『大禍時 幻の巻』を刊行。
【Q&A】
・どんな人が対象ですか?
現代における文化の基礎的動向を、大まかに知りたい人のための講座です。
受講にあたって前提知識は必要ありません。
本講義では20世紀前半〜21世紀に、どのような文化的変化が世界規模で起こったのか、わかりやすく概要を解説します。
ふだんから文化全般に興味をお持ちの方、歴史に興味をお持ちの方だけでなく、これから興味を持ちたいとお考えの方にもお楽しみいただけます。
・会員になった方が受講料は安くなりますか?
はい。彗星読書倶楽部の会員になると、講座の受講料は実質半額の¥6,600になります。
こちらのページよりご入会いただけます。
ご入会後に本講座の申込フォームをお送りください。
その他の豊富な会員特典については「彗星読書倶楽部とは」ページをご覧ください。
・途中からでも参加可能ですか?
はい。第1回開催以後も、参加受付は続きます。
・欠席した回の内容は教えてもらえますか?
各回の終了後、当日の講義の録画映像視聴リンクと、資料PDFをメールでお送りいたします。
・リアルタイム参加はできませんが、参加できますか?
はい。各回終了後にお送りする録画と資料PDFで、当日の模様をお楽しみいただけます。
【その他・お問い合わせ】
録画視聴用リンクと資料PDFは受講生本人のみにお渡しするものです。
他人への譲渡を固く禁止します。
お問い合わせは
info@suisei-trade.com
(合同会社彗星通商 販売部 加藤)
までご連絡ください。