YouTubeチャンネル『彗星読書倶楽部』で文学世界を明晰に解説する小説家・森 大那が、2026年、文章教室を開講します。
今回は、萩原朔太郎・岡本かの子・梶井基次郎・江戸川乱歩の短篇小説を読みながら、小説表現・構成・場面展開の技術を習得します。
目標は、小説を書く機会が欲しいと思っている受講生が、受講したその日から「小説を書きたい」と思えるようになること。
さらに、受講者が講座内で作品を書き上げ、小説を書く楽しさと成果を実感できること。
そして、書いた作品を、参加者同士で楽しく語り合うことを目指します。
小説という表現技術を自分のものにするための、彗星読書倶楽部にしかできない文章創作教室です。
主宰の森 大那による豊富な表現技法レクチャーと、参加者が書いた作品を全員で読む合評体験により、
読むこと・書くこと・語り合うことの知識と経験を増やし、
毎週水曜日、全8回の講座で、驚きと発見と喜びに満ちた創作を体験できます。
このページでは、Zoomを使って開催する『小説の教室』オンライン版の詳細をお伝えします。
本講座は、2025年に開催した文章講座『小説の教室』の実践編です。
初めての方もご参加いただけます。
【講座の目的】
この教室が目指すのは、 参加者が、
- 自分の表現能力として文章技術を手に入れること
- 過去の作例を読み解き、他の作家の技術を自分のものにできるようになること
- 小説を書き、語り合うことの、楽しさと喜びを体験すること
- 小説を書きたいという強い意欲と自信を手に入れること
- 最後まで書き上げた自分の成果物を作り上げること
この5つです。
そして、今後の人生で、長く創作を続けていける技術とモチベーションを身につけていただけたらと願っています。
そのために、他の講座や教室では体験できないカリキュラムと、心理的安全性を考慮した、ルールを踏まえた作品の合評の場を提供します。

【文学作品から学ぶ文章技術】
2023年・2025年の『小説の教室』(現在の講座名は『小説の教室・講義篇』)では、文章を書くための基本技術をレクチャーしました。
また、小説の文章を、内容(=物語や個々の要素)と、形式(=文章表現や構成)に分けて捉え、小説を書き上げる・小説を魅力的にするための方法を多数取り扱いました。
今回の「演習篇」では、指定された日本近代文学の名作短篇を参加者全員で語り合い、その後、講師が創作側の観点から作品を解説していきます。
(指定作品は、どれも青空文庫で無料で読めるものです。)
特に注目するポイントは、
- この作品の読ませどころ/読みどころはどこなのか?
- どのような細部が、作品の面白さとなっているのか?
この2点です。
芸術作品の面白さは、「最大の見せ場」と、「最大ではない魅力」が、さまざまに影響しあい、読者を刺激するところにあります。
小説に関して言えば、作り手が読者にとりわけ強く味わってほしい、作品のピーク=「読ませどころ」は、小説という文章形式の性質上、ほとんどの作品に組み込まれています。
しかし、読者がそこを読み取ってくれるとは限りません。
むしろ、作者が予想していなかった魅力(=「読みどころ」)を、読者が読み取ってしまうことは、当然とすら言えるでしょう。
この演習篇では、どこが読ませどころ・読みどころなのか、そして、その小説を何度も読みたくなる原因は、作中のどんな細部にあるのかを探るのが目標です。
その探索の成果は、そのまま、ご自身の小説表現技術の新しい技となります。

【講義の進め方】
各講義の前半30分では、指定作品の感想を参加者から順番にお聞きします。
上記の観点を考えながら、「ここが魅力的だった」「ここがつまらなかった」「ここに時代の変化を感じる」など、自由に感想をお話しください。
おひとり当たり5分程度が目安です。
その後の後半30分では、講師が上記の注目ポイント2点を踏まえて、作品を解説します。
講座のレジュメはオリジナルな内容です。各回終了後にPDFにてお渡しします。
また各回はZoomの録画機能を用いて収録し、各回終了後に受講生のみ視聴できるリンクをメールでお送りします。
【創作と合評】
受講期間である8週間のうち2回、受講生に、短篇小説を書いていただきます。
講義で扱う指定作品を参考に作品を提出してください。
もちろん、あえて参考にしない作品でも問題ありません。
目安は2,000字前後、文字数上限は4,000字です。
講座の内容を参考に、オリジナルな作品の完成を目指し、挑戦してみましょう。
作品は参加申込後にお伝えするメールアドレス宛にご提出いただき、全員が全作品を読めるよう、PDFにまとめメールで受講生にお送りします。
そして「合評」を行う回で、全員で全作品を語り合います。
「合評」では、心理的安全性を保つため、発言にルールを設けています。
この講座では、受講生の作品を「変更不可能な現場」として扱います。
それは、ささいな単語ひとつの選択も、尊重すべきであるという捉え方です。
そのため、
1:作品を批判しないこと。
2:「この部分はこうすべきだ」という代替案の提案をしないこと。
この2つをルールとします。
「合評」では、ご自身の意図や予想をはるかに超えた感想や受け取り方が返ってきます。
他の参加者からのコメントは、今後さらに文章を書くための大きなモチベーションとなるでしょう。
※ご自身で書いた既存の作品をご提出いただくことも可能です。
※もし、すでに小説を執筆中で4000字を超える作品を提出したい方は、4000字を超えないように一部を抜き出しご提出いただくことも可能です。
【特典】
受講生には2つの特典をご用意しています。
【開催日時・講義内容】
第1回:2月4日(水)
初回である今回は、梶井基次郎の名作短篇小説「檸檬」(1925)を読み、その特徴や魅力を参加者全員で挙げていきましょう。
陰鬱な心持ちの語り手が京都の街を歩きながら、五感で捉えるきらびやかな世界が語られている本作。
創作という観点から読むと、この小説にはいくつかの大きな枠組みと、場所・物をヴィヴィッドに見せる多数の細部で作られていることがわかります。
作者は、どんな機能を持たせるために、この言い回しを選んだのか、その小道具を登場させたのか……
そして、語り手の性別を限定しなくても本作は成立するかどうか、にも注目してみてください。
いち読者の視点・作り手の視点の両方を使って、たくさんの小説技術をつかめるはずです。
第2回:2月11日(水)
岡本かの子「娘」(1939)を読み、その特徴や魅力を参加者全員で挙げていきましょう。
桜が舞い散る川で、ボート競技選手の室子が義理の弟を待っている。
性別、年齢、人間関係のスムーズな説明と、しなやかで緊張感ある動きの描写が印象的な小説です。
今読んでも新鮮に読める、という感想が多い作品ですが、実在の地名などの固有名詞が出てくる点は、魅力的に映るでしょうか、それともわずらわしさもあるのでしょうか?
第3回:2月18日(水)
萩原朔太郎「猫町」(1935)を読み、その特徴や魅力を参加者全員で挙げていきましょう。
詩人・萩原朔太郎の唯一の小説である本作は、「見える景色が一変する事態」「実在が信じがたい世界に足を踏み入れる展開」を描き、創作をする私たちにとっては、何かを感じ取る・何かを説明することの自信と不確かさを突きつけられる作品でもあります。
長く読み継がれる傑作を、自分でも使える創作技術、という観点から読んで見てください。
次回第4回は、参加者が書いた課題作品を全員で語り合う回です。
第4回:2月25日(水)
提出された課題作品を全員で読んでいきます。
コメントするのが得意でなくても大丈夫。ご自身の得意な分野を通して、他の受講生やご自身の作品を語ってみてください。
※課題作品を読んで参加してください。
※マイクオンでご参加ください。
作品提出締切は2月21日(土)です。22日(日)に課題作品をまとめたPDFをお送りします。
第5回:3月4日(水)
梶井基次郎「闇の絵巻」(1930)を読み、その特徴や魅力を参加者全員で挙げていきましょう。
何ひとつ目に見えない闇について語り始めながら、山間の療養地で過ごした語り手の思い出を記す文章は、その後、見えるものを語ってくれているのか、それとも……?
ごく短い小説でありつつ、具体性と曖昧さがマーブル模様のように混在する情報提示の仕方にご注目ください。
また、「これは本当の体験談なのか、それとも、実はまったくの想像だけで書いているのか」という点を踏まえて読むと、ご自身の体験をいかに小説化するかのヒントに直結します。
第6回:3月11日(水)
岡本かの子「鮨」(1939)を読み、その特徴や魅力を参加者全員で挙げていきましょう。
人々が集まる賑やかな東京の鮨屋。そこに現れる1人の紳士から、娘は幼少期の思い出を聞く。
内容を見るとノスタルジックでドライな人情ものに読める本作ですが、その文章表現に注目すると、発見が多いはずです。
場所や、群衆の様子を、どんな手順を踏んで説明すれば、分かりやすく・魅力的になるのか?
それを解明することは、どんな描写方法だと分かりにくく複雑になるかを知ることでもあります。
第7回:3月18日(水)
江戸川乱歩「木馬は廻る」(1926)を読み、その特徴や魅力を参加者全員で挙げていきましょう。
怪奇小説で有名な乱歩作品の中でも、市政の人々のごく平凡な日常を描いた物語ですが、今日の読者からすると賛否が分かれる記述も多いと言えるでしょう。
うだつが上がらない男のふとした犯罪(?)の成り行きは、面白いと感じるでしょうか、不愉快と感じるでしょうか?
三人称でありながら、その語りに強い個性がまぶされている点も特徴です。
次回第8回は、参加者が書いた課題作品を全員で語り合う回です。
第8回:3月25日(水)
提出された課題作品を全員で読んでいきます。
コメントするのが得意でなくても大丈夫。ご自身の得意な分野を通して、他の受講生やご自身の作品を語ってみてください。
※課題作品を読んで参加してください。
※マイクオンでご参加ください。
作品提出締切は3月21日(土)です。22日(日)に課題作品をまとめたPDFをお送りします。
・各回は講座1コマ=1時間です。
・カリキュラムの内容は、受講生から寄せられたご質問や、抱えている課題を解決するため、一部変更する場合がございます。
【料金】
一般受講料:
¥35,200(税込)
過去に文章講座『小説の教室』を受講されたことがある方:
¥30,800(税込)
決済方法は、クレジットカード決済・銀行振込の2種類からお選びいただけます。
【定員】
6名
【受講方法】
下記の申込フォームを記入のうえ、送信してください。
送信後48時間以内に料金のお振込用メールをお送りいたします。
お振込が確認出来次第、メールにてZoomリンクをお送りしますので、当日の開催時間になったらご入室ください。
今回の講座は、カメラオンでもオフでも参加可能です。
今回の講座は各回、講師と参加者が会話をしながら話題を進める講座ですので、マイクオンでご参加ください。
申込締切は2026年1月28日(水)23:59です。
【講師】
1993年生まれ。作家。
早稲田大学文化構想学部文芸ジャーナリズム論系卒業。
さまざまな媒体に小説・詩・批評・エッセイを発表する傍ら、2018年にウェブサイト『彗星読書倶楽部』を開設、オンライン・オフライン問わず読書会を開催。
2021年、YouTubeチャンネル『彗星読書倶楽部』を開設、国内外の文学作品を原典や最新研究に準拠しながらも創造的に読解する解説動画を配信している。
2022年、読書好きが集まるコミュニティ『彗星読書倶楽部クラブメンバーシップ』を開始。
2023年6月、作品集『深い瞳を鋭くして』を刊行。
同年8月、日本には少ないクリエイティブライティングの講座『小説の教室』を開講。
同年11月、新サービス『彗星ブッククラブ』を開始。話題の新刊の著者インタビュー映像や解説動画を独占配信。
2024年12月、作品集『大禍時 幻の巻』を刊行。
2025年11月、作品集『大禍時 影の巻』を刊行。
【Q&A】
どんな人が対象ですか?
・小説を書く機会が欲しいと思っている人
・他の参加者と一緒に楽しく創作をしたいと思っている人
・まだ知らない文章表現を習得したい人
このような方におすすめする教室です。
表現技術を上げることと同じくらい、受講生同士で仲良く語り合うことを大切にしています。
創作の経験も、本の知識もありません。それでも受講できますか?
問題ありません。
初めから力のこもった作品を書く必要はありません。
「今の自分に書けることを書く」から始められます。
ただ、すでに書きたいテーマやアイディアがあった方が、書き始めるまでにエネルギーを使わずに済むため、望ましいです。
指定作品は掲載されている書籍を別途購入して読む必要がありますか?
各回で感想を語り合う指定作品は、すべてネット上の図書館・青空文庫で無料で読むことができます。
各作品へのリンクは講義内容の欄をご覧ください。
また、青空文庫 in Browserを使うと、各作品を縦書きで読めます。
小説や詩を書きたいと思っていても、うまくいきません。解決できますか?
書けない理由は人それぞれですので、解決方法に正解はありません。一緒に解決していきましょう。
正直、自作を批判されるのが怖いです。安心して書けるでしょうか?
参加者が書いた作品を合評する際、作品に対し批判をすることは、一切禁止しています。
その人が書いた作品は「変更不可能な現場」であると捉えているからです。
むしろ、「自分にはここが理解できなかった。もしかすると、こういう意味かもしれない」という考え方をしてもらうことで、作者も予測できなかった魅力を掘り起こしていくことになります。
安心してご提出ください。
文学賞の受賞を狙っています。参考になりますか?
参考にはなるはずですが、文学賞の対策は行っていません。
参加者の表現力を高めるため、文学史上の豊富な作例と、表現様式の変化の歴史を学ぶカリキュラムを用意しています。
それを自分の表現に利用できるようになれば、満足のいくクオリティの作品を生み出せるはずです。
【その他・お問い合わせ】
お問い合わせは
info@suisei-trade.com
(合同会社彗星通商 販売部 加藤)
までご連絡ください。

